東語会
SHの言語活動の基本方針は、「Latin字/Englishの克服」ですが、他方で、「CJK(V)」と総称される、元々の北東Asia/漢字文化圏の言語についても、何か措置を施しておきたいところです。
というのも、世界的に見ると、この北東Asia/漢字文化圏の言語は、特殊的/孤立的でありつつ各々の繋がりも希薄という脆弱性を抱えているので、放っておくと、(Englishに押されつつ) 崩壊/衰退/消滅しかねない危うさがあるからです。
漢字文化を基盤としたこの地域の言語文化は、他の言語圏では代替できない「特有の合理性/効率性/利便性/創造性」を持っているので、単に「地域の歴史/文化の保全」というだけでなく、「全人類的な公益性」という観点からも、この地域の言語文化は、保全されていかねばなりません。
また、「地域和平、民族融和、経済/文化の活性化/発展」といった観点からも、この地域の言語的融通/結束を高め、言語基盤を強化する措置が、求められます。
しかし、中国語/越南語や韓国語は、表記/発音/構造の特性上、あまり拡張性/柔軟性/包摂性が無いため、そうした役割は期待できません。両言語の中間的な性格を持ち、表記/発音/構造に拡張性/柔軟性/包摂性がある日本語だけが、この地域の言語を繋ぐ基盤になることができます。
そこで、日本語を基盤として、そこに北東Asia/漢字文化圏の他の言語の文字/語彙を混合して拡張した形態の言語を、このSHでは、
- 東語 (EL/Eastern Language)
と呼び、それを推進していく実践project/platformを、
- 東語会 (ELC/EL Club)
と呼んでいます。
SHの言語活動全体から言えば、この東語 (EL) は、下図のように、伝統日本語 (TJ) と拡張日本語 (EJ) の狭間に、「おまけ」のような形で位置付けられることになります。
東語 (EL) 自体について少し説明しておくと、中国語の場合は、簡体字/繁体字の語彙をそのまま用いるだけなので、特に問題ありませんし、越南語の場合も事情は同じですが、韓国語に関しては、(音韻や文法が少し複雑で、結合/変化も激しいため)「単語」単位で扱うよりも、(名詞/形容詞/動詞に後続する助詞や述語表現も含めた)「文節」(韓国語では「語節」と表現) 単位で扱った方が、両言語の融通という点では、効率的/合理的だったりします。
これをここでは、
- 「PE」(Phrase Exchange/(文/語)節交換)
と表現しますが、この「PE」に加えて、
- 韓国語の文節(語節) が連続する場合のみ「分かち書き」をして、それ以外は基本的に「続け書き」する。
- 「句読点」は、日本語の文節(語節)の後は日本語式(、。)、韓国語の文節(語節)の後は韓国語式(, . )にする。(※「, . 」の後には「半角space」を入れる。)
という2点を押さえておいてもらえば、東語 (EL) における韓国語/한글語彙の扱いに、困ることは無いでしょう。
文例は、以下の通りです。
- ▪︎ 例えば이것이PEです。
- ▪︎ 처음에는不慣れで戸惑うかもしれませんが、慣れれば어렵지 않아요.
(※ ちなみに、ChatGPTのようなAIでも、こうした한글混ぜ書きや、簡体字混ぜ書きは、ちゃんと認識/理解して返答してくれます (確認済み)。したがって、東語の練習には、そうしたserviceを活用してもらうと良いでしょう。)
なお、この東語 (EL)/東語会 (ELC) に関連しては、この東Asia地域の民族対立/体制対立といったものが、最悪の破滅的事態を招いてしまうことを防止/抑止するための手段として、この共通言語基盤を土台とした、
- 東族 (ET/Eastern Tribe)
といった共通民族identityを、確立/普及させていく実践project/platformとしての、
- 東族会 (ETC/ET Club)
も、併せて提唱しておきたいと思います。
(※ 東族 (ET) という概念は、日韓や満州といった地域の民族に対する古代中国からの呼称「東夷(族)」から導出した概念なので、狭義には「日韓」のみにふさわしい概念ではありますが、地域の平和のためには、そんな細かなことにこだわってはいられないので、ここでは概念を拡張して、中国 (漢民族) 等も含む概念にしています。)
ちなみに、この「様々な文字を混ぜ込んでいく」という東語/EJ (拡張日本語) 的な手法は、(Latin字圏や) 北東Asia/漢字文化圏だけでなく、India-東南AsiaのIndia系文字圏や、Russia等のCyrillic文字圏へと、拡張していくことも可能です。
(Arabic/Hebrewといった中東系文字圏だけは、表記方向が逆なので、なかなか厳しいとは思いますが。)
このように、「漢字+/東洋/混合」方面と、「Latin字/西洋/単一」方面という、2つの方向性を保有しつつ、それを「両輪/両翼/両刀」として活用しながら、日本語文化/環境も、人類全体の言語文化/環境も、共に「豊かなもの」にしていく、それが日本語(圏)に求められている方向性/役割だと言えるでしょう。