体質について
日本固有の「体質」問題とは、
- 戦後日本/現代日本が、「和」の体質 に、偏り過ぎている
(「直」の体質が、抑圧され過ぎている)
という問題です。
個人や集団/社会の体質は、下図のように、基本的に、
- 「直」
- 「和」
- 「余」
の3つに分かれます。
「直」を支える「理/義」(目的論/義務論)、その宛て先となる「究極目的/究極義務」も、併せて図示すると、下図のようになります。
戦後日本/現代日本は、戦前に「直」の体質が強過ぎて、軍人が暴走して破滅を招いてしまった反動や、戦後東西冷戦下の極左/極右の抑制の情緒もあってか、極端に「和」(や「余」) に偏ってきました。
その結果、安定感はあるものの、各種の社会改革も遅々として進まず、文化にも産業にも活力が足らず、特に21世紀に入ってICT/internet (digital) 産業が台頭して以降は、USA、韓国、中国あたりに牽引してもらわないと動けない、そんな鈍臭い社会/集団になってしまいました。
そういう訳で、日本社会/日本民族が活力を取り戻すには、あまり余計なbalance/しがらみ等を考えずに、単純に革新/発展競争を追求していけるような、「直」の体質を取り戻す必要があります。
(上図のような「閉じ込め型 (まんじゅう型)」から、下図のような「牽引型 (火山型)」へと、移行していく必要があります。)
ただし、日本から「直」が失われてしまった背景には、このSHでも扱っている、他の3つの問題、すなわち、
- 【思想問題】究極目的/目的論 (欠如) 問題
- 【言語問題】Latin字/English (未吸収) 問題
- 【文化問題】Greece (未吸収) 問題
が、関わってもいます。
こうした問題が未解決なまま残されていたせいで、
- 「視野が狭く、方向性を欠いた社会環境」
が形成され、それゆえに東西冷戦期からglobalization期にかけてのこの戦後日本は、「直」の体質を上手く発揮できずに、無気力に漂流してきたという面が、多分にある訳です。
このように、日本の「体質問題」には、「思想問題」「言語問題」「文化問題」も絡んでおり、これらの解決なくしては、「体質問題」の(根本)解決もできない、ということになりますし、逆に言えば、そうした「思想問題」「言語問題」「文化問題」の解決にも取り組んでいるこのSHであればこそ、正当/真正に、「体質問題」の (根本)解決にも取り組むことができる訳ですね。
(特に商業面では、USA、韓国、中国という「世界3大商業主義国家」との連携を深め、それらのresourcesを必要に応じて活用できるようにしたり、それらの良所/長所/強みを柔軟かつ貪欲に吸収しながら、「新生日本人」へと成長/upgradeし続けていけるようにすることは、重要です。)
また、少し厳密な話をしておきますと、ここで言うところの「直」の体質は、より細かく分けると、
- 「真直」(しんちょく) --- 実直に「究極目的」(に向けた発展) を追求していく。
- 「仮直」(かりちょく) --- 各種のsocial games (社会的営み) を活発に回し (続け) ていくために、過激/短絡的な役回りを担う。「激」(げき) とも表現できる。
の2つに分けることができ、繰り返し言及している「USA、韓国、中国等との対比/比較で、現代日本に欠落している部分」は、後者の「仮直/激」の部分/要素であると、言うことができます。
この両者は「似て非なるもの」であり、この区別は意外と重要なので、しっかりと踏まえておいてもらいたいと思います。
ついでに、韓国などで典型的に見られる「仮直/激」の性格 (4要素) を、簡単に図示すると、下図のようになります。
また、USA/韓国/中国などで典型的に見られる、「市場乗っ取り」的な「露骨な商業活動」の手法は、以下の通りです。
一般的なmarket gameは、基本的にこうした手法の反復/拡大で成り立っています。
- 1. パクリ + 刺激要素【idea】
- 2. 量産体制【生産】
- 3. 過激marketing + 群衆化/集団hysteria化【乗っ取り】
- 4. 同調圧力 (市場/社会占拠)【定着】
こうした手法を知ってないと、またそれに対抗していけるだけの (PSDのような) 思想/communityを確保していないと、社会の歪み/崩壊は進む一方になります。
ちなみに、日本で「和」ばかりが肥大化し易い要因として、それが「大和 (やまと)」等として、自称としても用いられている点も、挙げることができます。
そこで、「直」をはじめとして、他の概念も強化して、均衡した形にしていくためには、以下のように、これらにも「大〇 (やまと)」といった形で「やまと」の呼称を付加し、「やまと」概念を多様化していく必要もあります。
- 「目 (大目)」 --- 「目」(もく/め)/「大目」(だいもく(たいもく)/めのやまと/まなこのやまと)
「的 (大的)」 --- 「的」(てき/まと)/「大的」(だいてき(たいてき)/てきのやまと/まとのやまと)
「命 (大命)」 --- 「命」(めい/いのち)/「大命」(だいめい(たいめい)/めいのやまと/いのちのやまと)【使命/天命】 - 「理 (大理)」 --- 「理」(り/ことわり)/「大理」(だいり(たいり)/りのやまと/ことわりのやまと)
「義 (大義)」 --- 「義」(ぎ/よし)/「大義」(だいぎ(たいぎ)/ぎのやまと/よしのやまと) - 「直 (大直)」 --- 「直」(ちょく/なおり)/「大直」(だいちょく/ちょくのやまと/なおりのやまと)
- 「和 (大和)」 --- 「和」(わ/なごみ/やわらぎ)/「大和」(だいわ/わのやまと/なごみのやまと/やわらぎのやまと)
- 「余 (大余)」 --- 「余」(よ/あまり)/「大余」(だいよ/よのやまと/あまりのやまと)
したがって、SHにおいて「直」の復興/支援を担うplatformも、こうした発想に倣って/準じて、
- 大直会 (やまとかい)
と、名付けられています。
また、「直-和」の関係性を表現するために、繰り返し上掲してきた「牽引型 (火山型)」の図ですが、上掲してきたような図のままだと、あたかも「直-和」が対立 (敵対) 関係のように誤解され、その影響によって、「内部に対立 (敵対) 関係を抱えた、情緒不安定な人間を、生み出してしまう」といった悪影響を与えかねないので、そうした危険性を排除するために、ちょうど「両者の狭間に浮かぶ浮き」のように、図中に
- 「直-和 両属 (縦断)」
- 「中庸/Balance」
を意味/表現する「Orangeの丸」を、追加して使用するのが、望ましいと言えます。
なお、上記してきた理-直-和-余などの関係を、Plato (プラトン) の魂の三部分説 (理知/気概/欲望) における、政体/型 (Politeia/Form) や馬車/戦車 (Harma/Chariot) の喩えの構図の中に位置付けると、下図のようになります。
(※ ちなみに、政体/型 (Politeia/Form) の喩えと、人間の主な「需要/欲求」の関係については、こちらで詳述されていますし、馬車/戦車 (Harma/Chariot) の喩えと、人間の主な「営為」の関係については、こちらで詳述されています。)
このように、「究極目的とつながれた理」の下の、
- 「直」
- 「真直」
- 「仮直 (激)」
- 「和」
- 「余」
といったcharacters/rolesを、併用/使い分けしながら、実践を行ってもらうと、個人のlevelでも、集団/社会のlevelでも、安全かつ円滑に、物事を進めて行けるようになるでしょう。
そして、こうした構図は、PSDやPAKの内容/実践を理解/遂行する上でも、重要になってきます。
上掲2図 (Politeia/Harma) を象徴的に統合すると (PH)、下図のように、菱形、砂時計、六芒星などとして表現できますが、こうして情報を圧縮した形で、頭の片隅にでも入れておいてもらうと、体質に関して失敗することは無いでしょう。